関西生命線代表、伊藤みどりの挨拶・通訳 林欣儀様


関西生命線代表、伊藤みどりの挨拶

 夢にも思わなかった、日本人との国際結婚で異国生活をするようになりました。留学や仕事をしたことのない日本でこれから生活していくのは、不安の連続でした。

 子育てを一段終え、落ち着いた頃、88年に大阪・中之島で台湾の女性4人が連続2日間にわたり川に飛び込み、自殺することがありました。一人は亡くなり、三人は助かりました。このような新聞記事を見ると心が痛みました。もし、その時「いのちの電話」があり、自殺前に電話をかけて頂いていれば自殺するまでには至らず、予防できたのではないでしょうか。なぜこのような考えがあるかと申しますと、そもそも25年前(1975年)台湾の「高雄生命線」でソーシャルケースワーカーとしての仕事に携わった多少の経験がございまして、異国で、困っている方々に対し、母国語により少しでも役に立つことができればとの思いが強かったからです。

 しかし、構想はあっても、白紙の日本社会で私にとり、実現するには、大変むずかしいことでした。故郷の「高雄生命線」や元国際生命線協会中華民国総会理事長洪義直様をはじめ、日本のいのちの電話連盟副理事長斉藤友紀雄様のご協力を賜り、また、多くのマスコミの皆様にも大変ばご協力を頂き、さらに資金面でご協力してくださるという大手の労組のお陰で、日本ではじめての母国語(台湾語、北京語)によるいにちの電話「関西生命線」の設立に至りました。スタートしてまもなく資金面で協力を頂いた労組と基本理念で大きな隔たりがあることに気がつきました。そのままボランテア活動を続けていくことはできないと認識をし、残念ながら一周年を機に独立して運営をさせて頂くことになりました。「独立運営を開始するにあたり、発起人としての使命感を新たにし「関西生命線」開設当初の基本理念である奉仕の精神を再認識しつつ、取り組んで参りたいと思っております。」と意を新たに致しました。その事は、一周年の際に、私なりのコメントで「関西生命線」ニュースに書かせて頂きました。

 あれから9年間、特に毎年設立の時期11月10日になりますと自分にいいきかせながら確認し、一歩一歩着実に取り組む決意を新たにしつつ10周年を迎えることができました。これもひとえに、会員様、ボランテア、関係者の方々、各マスコミ様のご理解とご協力の賜物と心より厚く御礼申し上げます。

 この10年間地道に活動をして参りましたが、思いがけない受賞があり大変驚いております。97年の大阪市「きらめき賞」および98年「大阪府知事表彰」の受賞です。我々の活動は、決して受賞を目的とするものではありませんがしかし、このような地道な活動を通して、日本の社会に少しずつ認知され始めたのではないでしょうか。したがってこの二つの受賞はこれまで何かとご協力頂いた会員様、ボランテア、関係者の皆様方お一人お一人の賞だと考えております。

 特に再スタートの時に活動のベースを築いて頂いたボランテアの留学生や若者の方々さらにはKBK(関西経済文化研究会)およびその事務局長の矢萩豪州胤様には大変お世話になりました。この歴史の重い一ページを忘れることはできません。

   その後さらに、大阪ガス株式会社の塩川都造様、熊澤泰雄様や元NTT関西支社様や台湾高雄国際工商経営研究社(IMC)の歴代の社長様および後援名誉会長鄭国勝様のご尽力、また当団体のボランテアの皆様方および長年にわたり会計をご担当頂いている林理利様、さらに各種行事の実行委員長を勤めて頂いた尾崎琢磨様や司会の大塚雅春様のおかげで今日まで至って参ることができました。改めて心より御礼申し上げる次第でございます。

   10年間、感謝の気持ちを込め、ささやかながら12月9日(土)に記念イベントを企画致しました。まずクリスチャンとしての感謝の礼拝を行います。引き続き三部にわたりそれぞれ意義あるものと致したいと思います。皆様方と10年間を振返り共感できるひとときを過ごさせて頂ければ幸いと考えます。

 特に今回式典の中で10年間の歩みを映像編と朗読編に分けご紹介させて頂きますが、その準備にあたり、これ迄の膨大な資料を整理する必要がありました。この難事を快くお引き受け頂いたのは最近当団体のボランテアとしてメンバーに加わって頂いたNHKチーフデレクターの川添良裕様および同じく元NHKチーフアナウンサーの峯尾武男様の御両名でございます。また、”映像編”作成のため、編集スタジオをご提供下さいました(有)インデイ社長松本彬良様にもこの紙面をお借りし、厚く御礼申し上げます。

   当日は、東京英語いのちの電話理事の斉藤友紀雄様に、また遠く台湾からは私の恩師である台南神学院の名誉教授鄭児玉様、高雄生命線の副理事長蘇銘峯様にお超し頂くこととなりました。感謝の気持ちで一杯です。

 いよいよ来年から21世紀に、「関西生命線」も11年目を迎えます。これからも相変わらぬ、引き続きご指導、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。


----------------関西生命線への連絡は---------------

電話 06-6441-9595
関西生命線代表  伊藤みどり

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最終修正日:Dec 20 2000